強酸/強アルカリ液の測定

あすみ技研のコラムをお読みいただき、ありがとうございます。今回コラム担当T.Sです。よろしくお願いします。

さて、、、今回は実のところ、多くの御客様に当てはまるような内容ではございません。数としては正直とても少ないのですが、確実にそのニーズは存在すると思われます。

そんな測定についてのお話になります。タイトルにもありますが、今回テーマは、

「強酸/強アルカリ液の測定」です。

それでは本題へまいりましょう!

強酸、強アルカリ液の測定ですが過去にこんなやり取りをした記憶が・・・・。以下、その時のやり取りです。

御客様:強酸及び強アルカリ液と、ある固体との接触角を測定したいんだけれども・・・。

弊社:かしこまりました。pHはどれくらいになりますでしょうか?

御客様:1つはpHは限りなくゼロに近いもの、もう一つはpH14以上はあるかなぁ・・・。

弊社:少々お待ちください・・・・(シリンジの金具部分とか針、溶出しないかな・・・・)。

御客様:あとできれば、シリンジについては自社で以前から使用しているものを利用したい。あすみ技研のシリンジの写真は確認したが、金具部の溶出の可能性が気になる。針についても何か良いものあれば提案が欲しい。

弊社:少々お時間いただけますでしょうか。確認致します(使えるのかなぁ・・・・)。

今でこそ、このような測定も普通にご対応できますが、このお問い合わせをいただいた当時はまだまだ準備も知見も今以上に不足しておりました。結果として御客様には装置を御利用いただいたのですが、その過程で御客様にも不安な思いをさせてしまい・・・・苦い思い出です(苦笑)。

さて、話を本筋に戻します。この時の御客様が気にされていたのは写真の赤丸の部分になります。

写真①:ガラス製シリンジ(当社標準品) ※先端金具部分は真鍮クロームメッキ
写真①:ガラス製シリンジ(当社標準品) ※先端金具部分は真鍮クロームメッキ
写真②:ステンレス製針 ※当社標準はストレート針
写真②:ステンレス製針 ※当社標準はストレート針

強酸及び強アルカリ液の場合、赤丸部分が時間が経つにつれて溶出する場合があります。この対策として材質がPP製のディスポシリンジの御用意もあったのですが、ピストン先端部分にシール性高める為にゴムがついており、強酸及び強アルカリ液ではこれの溶出も気になるところです。

写真③:PP製ディスポシリンジ(当社準標準)
写真③:PP製ディスポシリンジ(当社準標準)

※ ピストン赤丸部分材質は熱可塑性エラストマー (ゴムと樹脂の中間的な材質)


当社のマニュアルディスペンサは先ほどのガラスシリンジとピストン先端ゴム有のPPシリンジ用に設計されておりますが、下記型式のPPシリンジでも使用が可能です。写真見ていただくとわかるのですが、シリンジの外形が違うので変形は伴いますが・・・・(苦笑)。

オールプラスチックディスポシリンジ
オールプラスチックディスポシリンジ
メーカー  HENKE(ドイツ)
型式 S4020-LL
容量 3mL
材質

外筒部PP(ポリプロピレン)

内筒部PE(ポリエチレン)

固定方式

ルアーロック式


HENKEを標準マニュアルディスペンサへセット
HENKE製標準マニュアルディスペンサへセット
ゆがんだ画像
明らかな歪みが・・・

もちろん装置御購入の御客様で購入の際に普段お使いのシリンジ、またはレンタルにてご使用いただいたシリンジ専用のマニュアルディスペンサの設計も承っております。写真が設計事例となります。これはとある御客様が海外メーカー様のPP製ディスポシリンジを常用しており、それ専用のマニュアルディスペンサを設計した時の写真です。写真のアングルからはわかりにくいかもしれませんが、専用設計の為シリンジの受けブロックの変形もありません。


今後もう少し強酸及び強アルカリ液の測定のお問い合わせが増えてきましたら、ピストン先端ゴム無のディスポシリンジのマニュアルディスペンサを設計、製作して当社の準標準としていく方針です。強酸、強アルカリ液の測定をお考えの御客様はぜひ一度、当社までお気軽にご連絡ください。 

今回は割愛させていただきましたが、針についても後日コラムで取り上げさせていただきます。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

今後ともよろしくお願いします。

(T.S)