表面張力とは

表面とは

気体とは異なり、原子やイオンまたは分子が液体や固体のように密に詰まった相を凝縮相(液体や固体のように密に詰まった相)といいます。

 

表面(surface)とは、気体と液体、気体と固体の凝縮相とが接する時にできる境界面のことをいいます。

境界面には、その他に液体同士(例えば水と油)や液体と固体(例えば水と氷)のような間にもできます。このような液体や固体の凝縮相の間にできる境界面を界面と呼びます。

 

本来ならすべて界面と呼ぶべきと言われていますが、慣例として、一般的に気体と液体、気体と固体の界面を『表面』といい、他の凝縮相の境界面を『界面』と呼び、区別することがあります。

表面張力とは

表面張力(surface tension)とは、液体と気体の境界(表面)において、液体分子同士が分子間力により引き付けあって、液体が表面をできるだけ小さくしようとする性質のことです。 

 

表面張力と界面張力の実質的な意味は同じです。本来ならすべて界面張力と呼ぶべきと言われていますが、慣例として、一般的に気体と液体の界面の間における力を特に表面張力といい、他の凝縮相の界面同士の間に働く力を界面張力とよび区別することがあります。

表面張力イラスト

また、固体表面自体が持つエネルギーを表面自由エネルギーと呼ばれます。

表面自由エネルギーについてはこちら

 

表面張力の単位は、SI単位系でmN/m(ミリニュートン毎メートル)、CGS単位系でdyn/cm(ダイン毎センチメートル)を用います。

表面張力は、物体の温度が上がると小さくなります。温度が上がると物体の熱運動により物体の分子間距離が大きくなることにより、分子間の凝集エネルギーが小さくなるためです。

 

表面張力計は、液体の場合と固体の場合と測定装置が異なります。

 

液体の場合は、測定対象の液自体の限界サイズの滴の状態から算定する手法(ペンダントドロップ法)やリングやプレートを使用・測定して算出する手法(Wilhelmy法(プレート法、垂直板法)du Noüy法(リング法、輪環法))などがあります。  

代表的な液体の表面張力

物質 表面張力(mN/m)
72.8 (at 20℃)

72.0 (at 25℃)

ブロモベンゼン 35.75(at 25℃)
ベンゼン 28.88(at 20℃)
ベンゼン

28.22(at 25℃)

トルエン 28.43(at 20℃)
クロロホルム 27.14(at 20℃)
四塩化炭素 26.9 (at 20℃)
ジエチルエーテル 17.01(at 20℃)

データは、J.T.Davies,E.K.Rideal,Interfacial phenomena,ch.1,Academic Press,New York(1963)から採用。

液体金属の表面張力

物質 表面張力(mN/m)
水銀(Hg) 486 (at 20℃)
鉛(Pb)

442 (at 350℃)

マグネシウム(Mg) 542 (at 700℃)
亜鉛(Zn) 750 (at 700℃)
アルミニウム(Al)

900 (at 700℃)

銅(Cu)

1,120 (at 1,140℃)
金(Au) 1,128 (at 1,120℃)
鉄(Fe) 1,700 (at 1,530℃)

液体と固体の表面張力

表面張力は、表面に存在する分子と内部(バルク)の分子に働く力の不均衡に由来し、凝集エネルギーの大きさに依存するので、凝集エネルギーが大きい固体状態のほうが、同じ物質でも液体状態より表面張力が大きくなります。

物質 相(温度) 表面張力(mN/m)
金(Au) 固体(700℃) 1,205
金(Au) 液体(1,120℃) 1,128
銀() 固体(900℃) 1,140
銀() 液体(995℃) 923