測定のコツ:動的接触角:傾斜法編

いつもお世話になっております。あすみ技研、接触角計コラム担当のT.Sです。

 

今回コラムは測定のコツ・ポイントの「動的接触角測定:傾斜法編」となります。いつもご覧いただきまして、本当にありがとうございます。今回もよろしくお願いします。

 

さて・・・今回コラムの傾斜法測定ですが、弊社装置の「B100W」という機種が対応しております。詳しくはこちら ↓

B100W動画①

B100W動画②


初めて傾斜法という言葉耳にする方もいらっしゃるかもしれませんので簡単に説明を。

傾斜法とは固体試料に液体試料を着液させ、その固体試料を傾斜させることによって前進接触角(前進角)あるい は後退接触角(後退角)とその時の転落角を求める方法のことです。

ちなみに傾斜法は、『滑落法』、『転落法』『Sliding Method』、『Measurement on a slope』などの呼び名があります。

傾斜法解説イラスト
  • 前進接触角:θA
  • 後退接触角:θR
  • 滑落角:

この測定にも以前コラムで紹介した「静的接触角測定のコツ・ポイント」と同じように気にしていただきたい点がいくつかありますので、測定の参考にしていただけたらと思います。

傾斜法測定の流れとコツ

傾斜法測定の流れ

測定作業の流れとしては「共洗い」、「シリンジ内のエアー抜き」、「測定時の明るさとフォーカスの調整」、「測定」の順になろうかと思います。この作業の流れは表面(界面)張力測定や静的接触角測定、今回の傾斜法測定でも同じです。もっと言ってしまえば、今後書く予定の「表面自由エネルギー計算」、「拡張収縮法測定」でも何ら変わりはありません。

「共洗い」、「シリンジ内のエアー抜き」、「測定時の明るさとフォーカスの調整については「測定のコツ・ポイント~表面張力測定編~」をご覧ください。

それではここから『傾斜法測定のコツ・ポイント』についてご紹介していきます。

傾斜法測定の流れとコツ測定のコツ 其の一:針サイズについて

傾斜法測定ではコラムの「静的接触角測定のコツ・ポイント」でご紹介した針サイズよりも太くする傾向があります。傾斜法測定では静的接触角測定よりも懸滴量(着液させる液滴量)を多くする必要があるからです。当然細い針よりも太い針の方が液量の多い懸滴が作成できます。

懸滴量(着液させる液滴量)をある程度多くしないと装置を傾斜させても液滴は転落しませんので・・・。例えば、動画の液滴は、垂直まで傾けても動き出しませんので、液量を増やす必要があります。


弊社が傾斜法測定で使用する針サイズは18G~14G・・・出番が多いのは16G、18Gでしょうか。作成する懸滴量(着液させる液滴量)の目安ですが水の場合で大体10µL~20µLです。20µL以上の懸滴も作成できますがカメラの視野に入らなくなってしまいますし、ほとんどがこのくらいの懸滴量(着液させる液滴量)で転落します。

測定のコツ 其の二:着液のさせ方

着液方法については、「静的接触角のコツ・ポイント①」と注意点は同じです。ただし、静的接触角測定とは異なる点があります。それは着液後の針先の液残り(残液)の有無です。傾斜法測定の場合は針サイズが静的接触角測定に比べて太く、懸滴量(着液させる液滴量)が多いので着液後に針先に液残りが生じやすいです。そのため懸滴量と実際に着液させた液量に差が出ますが、これを静的接触角測定のように「懸滴量≒着液量」となるようにすることは難しいです。この点はご留意いただきたく。

測定のコツ 其の三:懸滴量について

傾斜法測定時の懸滴量ですが、弊社の手法で多いのは、『まず懸滴量15µLで測定』を行います。これで液滴が転落すれば懸滴量を10µLにして再測定を行い、転落しなければ懸滴量20µLで再測定します。この要領で液滴が転落するギリギリの液量を探り、その液量で測定を行います。

コツとかポイントと言うほどでもないでしょうか(汗)。ただ固体試料が1ヶの場合はすぐに懸滴量の見極めができるのですが、固体試料が複数ある場合はなかなか苦労します。この場合は液滴が一番転落しにくい固体試料を見つけ出し、その固体試料で転落する懸滴量を見つけないといけません。ではそれを見つけ出すコツ・ポイントはと言うと・・・・。

ありません(汗)。

こればっかりは全ての固体試料で測定を行い、見つけ出すしかありません。私も普段たくさんの御客様の受託測定をさせていただいており傾斜法測定を行う時もありますが、固体試料が複数ある場合についてはコツコツと上記の作業を行っています。

測定のコツ 其の四:傾斜速度について

傾斜速度については速いほうがいいのか?それともゆっくりの方がいいのか?実は過去にコラムでUPしていました。しかも記事を書いたのは私でした(汗)。結論から言いますと、弊社では傾斜速度は「1°/sec」を推奨しています。

↓詳しくはこちらをクリックお願いします(笑)。

「測定の流れ」は表面(界面)張力測定と同じですが、測定のコツ・ポイントについては傾斜法独自の注意すべき点があります。それをできるだけ短く、わかりやすく書こうとは思っていたのですが・・・・。気が付けばコラムの半分以上が文章になっていました・・・・。

 

このコラムから「傾斜法測定」、「接触角計B100W」にご興味を持っていただけましたら、弊社までお気軽に御連絡ください。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

(T.S)