極細サンプルの測定

極細サンプルの接触角測定

いつもコラムをご愛読いただきありがとうございます。今回のテーマは「極細サンプルの接触角測定」です。「ワイヤーのような細長いサンプルの接触角を測定したいのですが、測定可能ですか?」という問合せを頂く事が多々あります。測定可能かどうかの判断として重要なのが、サンプルに測定液を着液出来るかどうかです。

そこで、今回はどれくらいの細さまで着液が可能か、身近な物で試してみたいと思います。用意したサンプルは3種類。

極細サンプル1
写真1
極細サンプル2
写真2
極細サンプル3
写真3

以上三つの写真は、マイクロスコープで拡大した使い古した接触角計の針(20G、25G、30G)です。今回の測定に使用するディスペンサーと針(接触角計側の針)は、以前のコラムに登場したマイクロシリンジと33Gの針です。

早速試して測定を行いたいと思います。まずは写真1の外径:0.901mm(20G)。

20Gへの着液画像

特に接液に戸惑うことなく、着液出来ました。接触角計のカメラで見ると20Gの針がかなり太く見えます。液滴量は0.01μℓと、かなり少ない着液量です。


25Gへの着液画像

続きまして、25G(外径:0.501mm)。これも問題なく着液出来ました。ここまでくるとソフト側で液滴を認識しづらくなるので、手動で端点を補正する必要があります。


30Gへの着液画像

最後に30G(外径:0.301mm)です。着液に少し苦労するのですが、何とか出来ました。

懸滴量は0.01μℓ以下ですので、0.00μℓと表示されますが、ご覧のように液滴がちょっぴり付着しています。さきほどの25G(外径:0.501mm)と同様に液滴の端点を手動で合わせる必要があります。また、ワークが非常に軽量ですので、着液時の力で簡単にずれてしまいます(画像では右側に傾いてしまっています)ので、何等か固定する工夫が必要かもしれません。


 

今回、ステンレス材質の実績で太さ0.30mmまでの測定を行いました。液と固体の付着力にもよりますので、それ以上細い物も測定可能はできるとおもいますので、ぜひお気軽にお声掛けください。

(Y.S)