使用する水について
こんにちは。接触角計コラム担当のT.Sです。いつも接触角計コラムをご覧いただきましてありがとうございます。
今回のコラムの趣旨は「純水、精製水、水道水で表面張力の数値は異なるのか?」です。
接触角測定では様々な固体試料と「水」の組合せが多く(弊社実績の中で)、表面張力測定では「水:72.75mN/m@20℃」の数値が広く知られていると思います。
ただ水と言っても今回のタイトルの通り純水、精製水、水道水等があります。どれでやっても数値は同じなのでしょうか?それとも大きく異なるのでしょうか?
・・・なんか試したくなりませんか?
今回はそれをやってみようかと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
測定条件
- 測定場所:あすみ技研LAB(一般環境ゾーン) ※ラボ紹介コラムはこちら
- 測定環境:温度24.7℃ 湿度54%
- 針サイズ:25G
- 懸滴量:9μL
- プローブ液:純水(当社純水器より採取)、精製水(市販品)、水道水(東京都水道局)
- 測定回数:3回
- 測定時間:5秒(測定値は5秒経過時点での数値を採用)
測定結果(純水)
界面張力値
1回目:71.91mN/m
2回目:72.41mN/m
3回目:71.79mN/m
測定結果(精製水)
界面張力値・・・
1回目:73.08mN/m
2回目:72.65mN/m
3回目:72.11mN/m
測定結果(水道水)
界面張力値・・・
1回目:72.89mN/m
2回目:72.32mN/m
3回目:72.53mN/m
いかがでしょうか?図1~図3でどれも同じ様なグラフとなっていますが、決して使いまわしではありません。ちゃんと測定しました。
うぅ~ん・・・正直な感想・・・これ、わずかばかりの差はあるんですけど、ほとんど変わりないと言ってもおかしくないレベルですよね。少なくとも今回の条件で表面張力測定に限った話にはなりますが。もしかしたら東京都水道局の精製能力が実はすごいのかもしれません。ちなみにですが弊社で受託測定を行う際に「水」を使用する場合には、数値に差はないけれども不純物が溶け込んでいないほうが良いだろういう考えのもと、当社純水器の「純水」、または市販の「精製水」にて測定を行っております。
ちなみに精製水はどこのを使用しているのかというと・・・。
大洋製薬さんの精製水を弊社では利用しています。偶然ですが、弊社のお隣のビルでした・・・。
注意する点としては、使用期限があります。といっても恐らく接触角に影響はほとんどないと推察できますが・・・。
今回も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。