粉体濡れ性試験受託サービス開始

いつもお世話になっております。あすみ技研のT.Sです。今回より粉体濡れ性試験機についてコラムを書かせていただくことになりました。まだまだ勉強中ではありますが、御客様のお役に立てるようなちょっとは中身のあるコラムにしていきたいと思っていますので、どうかよろしくお願いします。

記念すべき粉体濡れ性試験機コラムの第1回目は弊社でご用意している粉体濡れ性試験機のご紹介をさせて頂こうと思います。当社では、かねてより固体試料の濡れ性試験機いわゆる『接触角計』の製造開発販売を行っておりましたが、さらに粉体の濡れ性試験機を導入し、よりお客様のニーズに対応できるように致しました。それが今回ご紹介させていただきます「粉体濡れ性試験機6200TN」です。

装置紹介・構成

本装置は弊社が懇意にさせて頂いている株式会社レスカ様の装置になります。デザインがスタイリッシュなことはもちろんのこと、基本性能、実績を十分に備えた装置です。これからは本装置を使って粉体の濡れ性試験をお考えの御客様のお手伝いができればと考えています。

装置本体画像
写真1
装置本体画像(斜めより)
写真2

写真①、写真②は装置の外観写真(アングル違い)になります。白を基調としたベーシックな外観です。

装置拡大図
写真3

写真③は装置主要部になります。上部の治具部に検体(粉体)をセット、ポット部に検体(液体)をセットして測定を行います。ポット部はヒーター機能を有しているので検体(液体)の昇温も可能ですし、熱電対で検体(液体)の温度測定も可能です。


附属品画像
写真4

写真④は粉体濡れ性試験で使用する備品になります。

  1. カラム
  2. メッシュ固定リング
  3. カラムホルダー
  4. ナイロンメッシュ

測定の流れ

さて、ここまでは装置外観や備品について簡単ではありますが写真を交えてご紹介させていただきました。ですがどのように測定を行うかまでは、なかなかイメージできないと思いますので、次に簡単にはなりますが、測定までの流れについてもご紹介させていただきます。

手順①:粉体をカラムに充填

粉体をカラムと呼ばれるガラス製の筒に充填します。カラムにこのまま粉体を充填しようとすると、カラムは上下が抜けておりますので充填できません。そこでカラムの片端にナイロンメッシュで蓋をして固定リングでナイロンメッシュを固定することで粉体が充填できます。充填後はタッピングを行い、空隙を可能な限り少なくします。タッピング後の粉体充填高さが10mmくらいになるように粉体の量を調整します。充填ができたら装置にセットする為のアタッチメントをカラムに取付けます。

ナイロンメッシュ画像
カラムへ充填

充填高さ
充填密度

手順②:装置ポットに液体をセット

装置のポット部に液体をセットします。ここにセットした液体を①でカラムに充填した粉体が吸い上げさせ、粉体の濡れ性を測定します。液量は熱電対先端が液面よりも少し入るくらいの液量となります。

ポット部
設置画像

熱電対

手順③:粉体充填済みカラムを装置にセット

手順①で粉体を充填したカラムを装置にセット。カラムはナイロンメッシュが下になるようにします。本当はここから細かな操作(オートバランスの確認、調整)があるのですが、今回は概要なので割愛させていただきます。カラムをセットした後、装置のポット部をカラムの下端に近づけます。ポット部があるステージ部は上下しますので、目視確認で出来るだけ近づけます。

粉体接触角測定①
粉体接触角測定②

粉体接触角測定③

手順④:測定開始

手順③まで完了したら、あとは測定に必要なパラメータをパソコン上で入力して測定開始です。測定開始するとステージが設定した速度でゆっくりとカラムの下端に向かって上昇します。カラムの下端が着液し、設定した浸漬深さに到達するとステージの上昇は止まります。設定した浸漬時間が経過した後、ステージは自動で下降します。

着液直後
濡れあがり拡大図

いかがでしたでしょうか。粉体濡れ性試験装置がどういった装置で、測定はどのように行うかが少しは伝わったでしょうか。冒頭でもお伝えしましたがこれからは固体の濡れ性試験だけではなく、この装置を使って粉体の濡れ性試験のお手伝いもさせて頂こうと考えております。ご興味のある御客様は是非一度、お気軽に御連絡いただければと思います。

また別コラムでもご紹介しようと思っていますが、この装置ではWilhelmy(ウィルヘルミー)法による表面張力測定も行うことができます。こちらについてもご興味ある方は一度御連絡いただければと思います。それでは最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。改めまして粉体濡れ性試験機をよろしくお願いします。

(T.S)