column:液体金属の接触角

以前(懸滴量の考え方)に、精製水の場合の液滴量と接触角の事例をデータとして上げました。その歳、表面張力の大きい物質では液量によりどれほど接触角が変化するのかを測定観測してみます。 今回は手頃に入手できる水銀を用います。水銀は常温、常圧で凝固しない唯一の金属元素ですので、実験も簡単に可能です(加温はともかく加圧はちょっと大変なので・・・)。

体温計画像

水銀の基礎データ

元素記号:Hg

表面張力:486mN/m (at 20℃)

 


水銀 0.55μLの接触角画像
水銀 0.55μL 接触角 145°
水銀 2.73μLの接触角画像
水銀 2.73μL 接触角 141°

シリンジでの吐出が難しいので、着液後の液量測定になりあまり切りの液量ではありません。ご了承ください。

水銀量が、0.55μLに対し2.73μLと約5倍の液量に対し、接触角は145°から141°と2.7%減少したに過ぎず、水銀自体が丸まろうとする力(水銀自体の表面張力)で質量の割にはあまり接触角の変化はみられないと言えるかもしれません。

ただ、これだけでは傾向が見られませんので、以下に水銀の液量をもっと増やしたデータを測定してみました。

水銀 4.47μLの接触角画像
水銀 4.47μL 接触角 138°
水銀 18.66μLの接触角画像
水銀 18.66μL 接触角 132°
水銀 48.29μLの接触角画像
水銀 48.29μL 接触角 129°

着液量による接触角の変化(Hg)

さすがに、50μLまで増やすと明らかに水銀自体の質量による液滴の形状がひしゃげているのが観察されます。実際の測定で液滴自体の作成は1μL以下でも特に作業性に問題は無いので、やはりできる限り少ないほうが本来の接触角測定に向いていると言えると思います。