針先の残液について

以前のコラムで、「針に残液が残ってしまうので、できる限り細い針を推奨します。」と記載させていただきました。では、実際はどれ位残るのか?それほど気にする残量ではないのか?といった疑問が湧くかと思い、データを取得してみました。

懸滴液 :精製水

固体試料:ステージ(アルミニウム 表面アルマイト処理済み)

懸滴量 :「着液直前の懸滴量」

着液量 :「着液直前の懸滴量」ー「針先に残る液体の残液量」

針径:30G(内径:0.15mm)

測定回数 1 2 3 4 5 平均 標準偏差
懸滴量(μL) 1.20 1.04 1.03 1.07 1.05 1.08 -
着液量(μL) 1.20 1.04 1.03 1.07 1.05 1.08 -
残液量(μL) 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00
30G着液前画像
30G着液前画像
30G着液後画像
30G着液後画像

針径:25G(内径:0.33mm)

測定回数 1 2 3 4 5 平均 標準偏差
懸滴量(μL) 1.04 1.01 1.03 1.03 1.04 1.03 -
着液量(μL) 1.03 1.01 1.03 1.03 1.03 1.03 -
残液量(μL) 0.01 0.00 0.00 0.00 0.01 0.00 0.00
25G着液前画像
25G着液前画像
25G着液後画像
25G着液後画像

針径:20G(内径:0.65mm)

測定回数 1 2 3 4 5 平均 標準偏差
懸滴量(μL) 1.01 0.99 1.02 1.01 1.00 1.01 -
着液量(μL)

0.92

0.91 0.94 0.91 0.91 0.92 -
残液量(μL) 0.09 0.08 0.08 0.10 0.09 0.09 0.01
20G着液前画像
20G着液前画像
20G着液後画像
20G着液後画像

針径:16G(内径:1.25mm)

測定回数 1 2 3 4 5 平均 標準偏差
懸滴量(μL) 1.01 1.03 1.04 1.03 0.97 1.02 -
着液量(μL)

0.41

0.53 0.53 0.55 0.45 0.49 -
残液量(μL) 0.60 0.50 0.50 0.48 0.53 0.52 0.01
16G着液前画像
16G着液前画像
16G着液後画像
16G着液後画像

各データの標準偏差は0.01以内なので、信頼度の高い数値と言えると思います。次にこれらのデータから、針径と着液量の懸滴量の相関をグラフにします。

針内径と残液比率の相関図

以上より、できる限り細い針を使えば残液を少なくすることが出来そうです。